春に読みたい歌集たち

Hazuki

個人的に春に読みたくなる歌集を集めました

あくまでわたしの主観ですが、春っぽい、もしくは春に読みたくなる歌集たちです。

もくじ

春に読みたい歌集

『uta0001.txt 』中澤系

3番線快速電車が通過します理解できない人は下がって

『uta0001.txt 』中澤系

中澤系といえばこの歌がいちばん有名なのではないかと思います。

春、新しい学校や会社に向かう時、交通手段として使う人が多いであろう、電車。
その電車が駅を通過する時のアナウンスとしてありそう、と上の句で認識しそうになりますが、下の句はそれを突き放すようにぶつっと終わっています。

一瞬、バグが起こったような気がするのはわたしだけでしょうか。

ページを繰るたびに、世界の断面をまざまざと見せつけられるような歌集です。

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『砂丘律』千種創一

煙草いりますか、先輩、まだカロリーメイト食って生きてるんすか

『砂丘律』千種創一

第二歌集『千夜曳獏』と迷ったのですが、第一歌集『砂丘律』の方を。

ちくま文庫にもなっているので、手に取りやすいと思います。
あとがきも必読です。本が砂になるまでって、いったいどれくらいの時間を必要とするんでしょう。詩ですね。

さて、引用した歌に関してですが、作中主体が箱から1本煙草が出た状態で、先輩に煙草の箱を差し出していて、そのセリフのように受け取っています。
先輩と作中主体の間に流れる雰囲気が春のように思います。どこから? もちろん、字間からです。

砂になってしまいそうな、ぼろぼろの本を想像しながら読むと、春風がそれをさらっていくような気がします。

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『さよならバグ・チルドレン』山田航

僕の背に軽く刺さつてゐる爪が三日月よりもとほい気がする

『さよならバグ・チルドレン』山田航

どこか春の夜のような雰囲気がしませんか?

しかしおだやかな場面ではないのでしょう。作中主体の僕ともうひとり、人がいるように思います。
そのもうひとりの爪が僕の背に刺さっているのでしょうか。
抱きしめているようで、でも爪が軽く刺さるくらいなので、あまりなごやかとは言えなさそうな。

春、新しいスタートラインに立てなかったとしても、きっと大丈夫です。そう思える歌集です。

注釈
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『花の渦』齋藤芳生

フロントガラス露にびっしょり濡れていてはがしたる桜紅葉一枚

『花の渦』齋藤芳生

花といえば桜です。短歌の中で花というと、桜を指すことが多いというくらいの話ですが。

春、ちょっと冷え込んだ日の朝ではないかと思います。
車のフロントガラスに桜の花びらがぺたっとくっついているんですね。
春ですね。運転するにはちょっと困る現象かもしれませんが。

先生の顔も見える、そんな歌集です。

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歌集とのよい出会いがあるように

春に読みたい歌集たちと題して、4冊ご紹介しました。
気になる歌集があれば、ぜひ手に取って読んでみてくださいね。

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この記事を書いたひと

HTMLコーダー・短歌をよむひと。
フロントエンドエンジニアもできます。

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